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現物は知恵の塊

May 21. 2019 w : meistier

 

みなさんは 『秋葉原』 に、どんなイメージを持っていますか?日本で一番メードさんの人口密度が高く、フィギュアがたくさん売られていて、ナントカ劇場があるカオスな一角と言った印象を持たれている方も多いかもしれません。あきはばら/あきばっぱら/あきばはら、と言った呼称の議論は、さておき。

 

ホコリっぽい電気部品や電子部品、それらの載ったプリント基板がゴロゴロしている巣窟と言うのが、当時、中学生だった私に刷り込まれている 『秋葉原』 のイメージであると同時にエンジニアになる原点だったと思います。秋葉原から徒歩圏内の大学に通っていた私は、少し部品が足りないと週に何度も散歩がてら買い物に出掛けたものです。しかし、当時通った怪しげな?店舗は、だんだんと姿を消していっています。

 

先日、友人との待合せの合間に30年物のパソコンをジャンクで扱っているお店を見つけ、その店からマザーボードを1枚連れて帰りました。現在、私が通っている研究室の若い学生達にとってシステムを勉強するに打ってつけの教材なのですが、嬉しいことに暫くすると 「 ”ニキシー管:nixie tube” を使った時計を作ってみたい!」 と言い出してくれました。

 

新しい何かを組み立てる前に、まず動いているものをバラバラにして、それぞれの部品が何をしているもので、どうしたら小さく、安くできるか考える。そんな教材自体が絶滅の危機にあります。みなさんの周りにも、よく見渡してみると、お宝が眠っているかもしれません。新しいことを始める時には触れる現物ほど良い教材はありません。現物は、それをカタチにしたエンジニア達の知恵の塊ですから。

 

 

コ・クリエーション事業部

Strategy Adviser

金子 博昭

 

元ルネサスエレクトロニクス 自動車システム統括部長

現東京電機大学大学院(博士課程後期)にて集積情報システム研究に従事

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